クルマが水没したら、どんな対応が必要で、どんな点に注意すべきなのか。

広範囲で甚大な被害をもたらした台風19号によって、多くの自動車も水没などの被害を受けた。その数は10万台に上るとの推定もあり、東日本大震災の被害台数を上回った可能性がある。今後の大雨によって、その台数はさらに増える恐れもある。

クルマが水没したら、どんな対応が必要で、どんな点に注意すべきなのか。代表的な3つの疑問について取材した。

クルマが水没したらまず何をする? 逆にしてはいけないことは?

クルマの水没とは、一般的にマフラーより上まで水位が上がって車内が浸水することを指す。浸水すると、エンジンや電気系統に支障が出る恐れが高い。まず気を付けなければならないのは、絶対にエンジンをかけないことだ。トヨタ自動車によれば、浸水したクルマにエンジンをかけると、感電事故や電気系統のショートなどで車両火災が発生する恐れがある。

まず、クルマの販売店や損害保険会社に連絡し、専門家にクルマの状態を確認してもらう必要がある。ハイブリッド車や電気自動車は高電圧のバッテリーを搭載しているので、電気系統には極力触らないのが望ましい。

トヨタによれば、発火を防ぐために以下の処置をすべきだという。まず、ライトなどに使用している補機バッテリーを探す。ガソリン車の場合はボンネットを開けたエンジンルームの内部にある。ハイブリッド車では補機バッテリーの位置が異なるため、各社のウェブサイトなどで確認したい(トヨタ自動車の補機バッテリーの位置)。

バッテリーにはプラス極とマイナス極がある。そのうち、マイナス極の端子を取り外し、金属との接触を防ぐためにマイナス極と端子のそれぞれに粘着テープなどを巻きつけて絶縁する。

水没しても損害保険は適用される?

台風による水害は自損事故(単独事故)扱いなので、自損事故の損害を補償する任意保険に加入していれば、保険金を受け取ることができる。

例えば、保険金額が200万円、免責金額(自己負担額)が10万円の車両保険に入っていたと仮定しよう。修理費が100万円の場合は、免責金額を差し引いた90万円の保険金が支払われる。修理費が300万円の場合は全損扱いとなり、免責金額は差し引かれず保険金額200万円全額が保険金として支払われる。

水害を受けて保険を使うと等級が下がるため、次回の契約更新時に保険料が値上がりすることになる。

台風19号の甚大な被害を受けて、損保各社はよりスピーディーな保険金支払いに向けて様々な手を打っている。例えば損保ジャパン日本興亜は10月16日、水没による被害に特化した専用アプリの提供を開始した。スマートフォン用のアプリ「Quick CAM」は、クルマのどの部分をどのように撮影すればいいかをガイドする機能を持ち、ガイド通りに写真を撮ってアプリから損保ジャパンに写真を送付できる。送信後48時間以内に見積もりが送られてくるので、金額を確認して支払い手続きに進むことができる。

請求から支払いまでは通常1週間かかるが、このアプリを使えば即日(最短は3時間)の支払いが可能だ。

各社はLINEなどを使って被害状況を受け付け始めている。「コールセンターも増強しているが、今はLINEなどを使ったほうが待ち時間は短い」(損保ジャパン広報)という状況だ。

水没したら廃車?中古車として売却できない?

車両保険に入っていない場合、修理費は全額自己負担となる。一般的に、クルマの室内が水没してエンジンがかからない状態の場合、修理費は100万円を超える。販売店では下取り価格がゼロ円になるケースが多く、一般の中古車買取会社は水没車の買い取りをしない場合がある。ここで「廃車」が現実味を帯びる。

一方、国内には「事故車・水害車専門」の中古車買取会社が存在する。

損害を受けたクルマの買取シェア国内1位のタウ(さいたま市)は、台風19号による水害車両を10万台と推定し、うち1万5000台の買い取りを見込む。下限金額を設定して、全ての水害車を買い取る方針だ。去年7月の西日本豪雨や去年8月の台風21号でも、同様の方針で計8900台を買い取った実績がある。

タウは台風19号による被害を「最大レベル」と位置付け、買取体制を大幅に強化。全国に8カ所ある、買い取ったクルマを駐車するモータープールを一時的に倍増させたほか、被災地に約100人の社員を派遣し、迅速な買い取りを目指す。過去には、ナンバープレートまで水没し、車内に浸水したトヨタ「クラウンハイブリッド」(年式:2013年)を110万円で買い取った実績がある。修理に出した場合の見積もりは150万円だった。

「電話でもLINEでも受け付けており、即日対応でクルマの査定に伺う。ウェブサイト上のシミュレーターで買取価格の見積もりを出すことも可能だ」(タウ広報)

同社は買い取った水没車や事故車を、独自に構築したウェブオークションシステムで主に企業向けに売却している。オークションは会員制で、10月時点で約12万社が登録している。うち6割が海外の自動車修理工場や中古車販売店だ。1996年の創業以来、119カ国に向けて売却した実績がある。これまでの累計取扱台数は78万台だ。

気象庁によれば、18日午前3時に台風20号が発生。今のところ大きな発達はしない予想で、日本への影響は軽微とされているが予断は許さない。避難の用意に加えて、クルマなどの財産を守るための事前準備や、水没してしまった場合の段取りを確認しておきたい。

安否確認システムについて

「安否確認システム」とは、災害発生時にスタッフやその家族の安否状況を確認するためのシステムです。一斉メール配信、状況集計、掲示板などの機能を提供します。送信代行や専用サイトの運用などをサービスとして、提供される場合もあります。震災の経験から多くの企業でその重要性と必要性が見直され、導入企業が増えています。社員の安否情報を短時間で収集することで、災害発生時の素早い意思決定を可能にし、事業への二次的な被害を最小限に留めることができます。

「災害発生時にスタッフと連絡が取れなくて、事業回復が遅れた。」
「SNSでの確認で大丈夫と思っていたら、全然繋がらなかった。」

災害発生時の対応において最重要となるスタッフの安否確認。大規模な災害になると、通信インフラの損傷や通信規制で電話回線が繋がりにくくなり、通話での安否確認は困難です。一方、SNSでの安否確認は通話に比べ連絡は取りやすくなりますが、状況の集計に手間取ってしまい、業務の早期回復を妨げてしまいます。

広域災害時も稼働するように設計されているシステムで、もしものために備えましょう。緊急時のリスクを最小限に!

「安否確認システム」でできること

一斉連絡でスタッフの安全を素早く確認
災害発生時に安否確認をするスタッフの選定をしている時間などはありません。安否確認システムは、すばやく連絡が取れるよう、一斉連絡をする機能が備わっています。

スタッフへの自動連絡
突然の災害発生時、安否確認システム管理者がシステム操作できない場合に備え、地域を絞ったり、地震や津波などの災害情報に合わせて自動的に一斉連絡ができる機能が便利です。例えば、東京都に震度5以上の地震があった場合に自動的に連絡するといったことが可能になります。

安否状況のリアルタイム確認
一斉連絡の後にスタッフが連絡をすると、システムがリアルタイムに集計を行い、安否確認できないスタッフをいち早く把握することができます。